旅の跡

アジア、一人旅、アラフォー

バリ島旅行記

2024年のゴールデン・ウィークを使って、バリ島を一人で旅してきました。

 

コロナが終息し、本格的に海外への旅を再開したところです。空港を行き来する観光客の数はコロナ前と変わらない印象でした。日本人については、円安の影響があるのか、あまり見かけませんでしたね。

それでも、東南アジアであれば、まだまだ安く旅行できます。東南アジアの中でも赤道付近の島国に訪れたことがなかったので、インドネシアのバリ島を旅先として選びました。以前から気になっていた場所でもありました。

沿岸部のビーチリゾート、内陸の景勝地、独自のヒンドゥー教文化や芸術、と見どころの多いバリ島。

私が旅してきた体験についてご紹介したいと思います。

これからバリ島に旅行に行かれる方の参考になればと思います。

 

目次

1. バリ島の概略

インドネシアの一部であるバリ島は、東京都の2.6倍ほどの広さに3000m級の山を持ち、ダイナミックな自然に恵まれています。

アジア最古の人類が発見されたジャワ島がすぐ隣なので、古代から人が居住していたのでしょう。周辺の島国の影響を受けながら、現在まで独自の伝統文化や習慣を守り続けてきました。

大航海時代にはオランダの植民地となり、戦時中に日本が支配したこともあります。

インドネシア全体ではイスラム教徒が多いのですが、バリ島についてはヒンドゥー教徒が大半で、インドともまた違う独自の発展をしているのも興味深いですね。

現在、観光産業が中心のバリ島ですが、リタイア後に定住する外国人もいるようです。

1-1. 観光エリア

主要な観光エリアは以下のように分けられています。

 ①空港とビーチリゾートのある南部エリア

 ②伝統文化のメッカ・ウブドのある中部エリア

 ③山や湖の景色が美しい高原地帯の北部エリア

ビーチリゾートでは、開放的な海の家風のレストランが並び、砂浜にビーチチェアやビーズクッションが置かれています。波の音を聞きながら、食事したり、読書したり、泳いだり、とのんびり過ごすことができます。

ビーチリゾートは西海岸に点在しているため、夕日が美しく、夕方から夜にかけては多くの観光客でにぎわいます。夕日を眺めながらのディナーやライブ演奏、と華やかです。

ウブドではバリ伝統の芸術や民族舞踊を楽しめます。周辺にも芸術の村や美術館がいくつかあり、バリ文化を堪能できます。

北部の高原地帯は遠出になりますが、カーチャーターして日帰りで回ることができます。

1-2. 島内の移動手段

鉄道がなく、バスもほとんど走っていないので、移動手段は通常のタクシーかバイタク(バイクタクシー)となります。長距離の移動ではタクシーを使うため、一人旅だと割高になりますが、1時間以内の距離ならバイクで十分、という印象です。荷物を伴った移動でも、バックパック1つぐらいなら、運転手の足元に置いてくれるので、気になりません。料金もタクシーの1/3ぐらいで割安。何といっても、渋滞時に小回りが利くのが良いですね。バリ島は渋滞がひどく、車がなかなか進みません。バイクのほうが、所要時間が短くなり、ストレスも少ないので、一人旅なら、バイタクを多用するのがよいでしょう。私もビーチエリア・ウブド間の移動にタクシーを使ったのと、北部エリアをカーチャーターで回った以外は、基本バイタクでした。

Grabというタクシー配車アプリが便利ですね。Google mapのように地図上で出発地と目的地を指定して、バイク、タクシー、などの車両を選択します。支払いも登録したクレジットで自動的に処理されので楽です。ドライバーが出発地に到着するまでの間は、向かっている様子が地図上に表示されるので、待つことのストレスもありません。

           

1-3. 食事、買い物

レストランでもローカル食堂でもインドネシア料理を堪能できます。食のバリエーションは豊富ですが、ナシ・ゴレンがよく知られていますね。「ナシ」は「米」、「ゴレン」が「炒める」の意味で、ナシ・ゴレンはチャーハンのことです。ご飯にいろいろなものを乗せた、ナシ・チャンブルも人気です。そこまで辛くもなく、日本人に食べやすいものが多かったです。

インドネシアを代表するビンタンビールは、日本のビールに近い味わいですが、ややすっきりした感じがします。東南アジアの気候の中で飲むビールは最高ですね。

南国で定番のココナッツ・ジュースはビーチサイドによく似合っています。

街中では少し歩けば目につく範囲にコンビニがあります。ミニ・マートというコンビニにはATMが設置してあるので、いつでもルピア通貨を入手できます。

他の東南アジア諸国と同じように、物価は安いです。観光客相手の多少のぼったくりはあるかもしれません。街中でタクシーの声かけはありますが、タイやインドのように付きまとってくる人はいないですね。

観光客が行くような場所では英語が通じます。観光関係の女性はずっとテンションが高いですね。

 

2. 旅の経路、日数、費用について

ガイドブックで最低限の期間として推奨されている3泊で計画しました。

1日目の午前にグラライ国際空港から入国、宿泊先のジンバランを起点にウルワツ寺院を観光。

2日目はカーチャーターで内陸の観光スポットを巡って、2泊目の宿泊地ウブドに到着。

3日目はウブドから3泊目の宿泊地スミニャックに移動し、そこを起点にタナロット寺院を観光。

4日目の夕方に空港から出国。

ホテルに3泊ですが、飛行機内に行き帰り2泊なので、全旅程は3泊6日となるのでしょうか。わかりやすいように、現地にいる間の日数でカウントして、3泊4日としておきます。

3泊とも同じホテルをとって、そこを起点に各所を回ることも可能でしたが、ビーチエリアとウブドにそれぞれ宿泊したかったため、このスケジュールになりました。

周辺のレンボガン島やペニダ島にクルーズしてダイビングやシュノーケリングを楽しむ、日帰りツアーも人気のようです。お好きな方は取り入れてもいいかもしれません。

以下は現地で使ったおおよその金額です。

 

ホテル・ゲストハウス(3泊)   4200円

交通(バイタク、タクシー) 6000円

観光・娯楽(入場料、マッサージ) 5600円

食事  14000円

買い物(土産・日用品) 8000円

合計 37800円

 

一日あたり9500円になります。食費はその気になればもっと安くできそうです。一方で、ビーチ沿いの高級リゾートの泊まるなら、別次元の料金になります。

 

3. ジンバラン

ビーチリゾートエリアには、タク、レギャンン、スミニャックサヌールなどいくつの町があり、それぞれ特徴がありますが、まずは、その中でも特に田舎の風情が残るジンバランに宿泊しました。素朴な漁村の雰囲気のある町です。

ホテルにチェックインした後はさっそく、ビーチサイドのレストランで昼食。ビーズクッションに座って波の音を聞きながら、ビンタンビールの飲んで、ナシ・ゴレンを食べました。

 

午後はウルワツ寺院を観光。断崖絶壁にそびえ立つヒンドゥー教寺院です。バイタクで30分ほどかかりました。

寺院前の休憩所に座っていたら、猿にサングラスを取られました。その場にとどまっていた猿に現地の人がフルーツを投げて交換させたのでサングラスは戻ってきました。バリ島の猿はいたずら好きで、帽子やバッグも盗んでいくので注意が必要です。

ウルワツ寺院では夕日をバックにしたケチャ・ダンスが有名です。訪問時間が早すぎたのと、ウブドでも観賞する予定だったので、見送りましたが、バリ島に来たなら、ケチャ・ダンスはぜひ見てほしいと思います。

ホテルに戻って少し眠った後、ジンバランのビーチに行きました。次第に日が暮れていきます。

ビーチ沿いに並ぶシーフード・レストラン「イカン・バカール」で夕食。イカンは「魚」、バカールは「焼く」の意味。店内の水槽で泳ぐ魚を選び、焼いてもらうスタイルの人気料理。このときは入った店は、魚1匹で3000円。少し贅沢してしまいました。

 

4. ライステラス、コーヒー農場、キンタマーニ高原

2日目は、カーチャーターを使って中部~北部の景勝地を巡りました。

カーチャーター会社を検索すると複数出てきて迷うのですが、口コミなども参考に今回はバリウィツアーさんを選びました。日本語ガイドを兼ねたドライバーがおすすめスポットも教えてくれます。車1台、8時間6000円でした。1人旅なので割高になるのは仕方ないですね。

 

まずは、テガラランのライステラス。

バリ島の原風景ですね。日本にもある棚田にヤシの木などの熱帯が組み合わさった風景。

谷底にも下りてみました。

次は、コーヒー農園&販売所「Bali Pulina」に立ち寄りました。ここはドライバーに教えてもらいました。インドネシアはコーヒーの産地ですね。コーヒー好きなら訪れてほしいスポットです。

入口で待機していたコーヒー娘たちの1人が、園内を案内してくれました。栽培している木々や収穫されたばかりの豆について英語で説明してくれました。眺めの良いカフェで無料試飲ができます。

14種類を飲み比べしました。正確にはココアやココナッツなどコーヒー以外も入っていますが、貴重な体験です。

ルアック ・コーヒー(Kopi Luwak)だけは有料でしたね。ルアックは、ジャコウネコが食べたコーヒーの実を排泄物と一緒に排出したものを収集して作られる珍しいコーヒーです。コクが深く、高級な味わいです。一杯600円でしたが、それだけの価値がありましたね。

ジャコウネコもいました。

キンタマーニ高原では景色を見ながら、ビュッフェ形式の食事。

 

5. ウブド

カーチャーターでウブドのホテルについてから、市場のあたりを散歩しました。

夜はダラムウブド寺院でケチャダンス観賞しました。月、金のみの公演なのでタイミングが良かったです。

ケチャダンスはバリ島の伝統的な舞踏の一つ。チャッという合唱とリズミカルな動きで神話の世界を表現します。バリに来たらぜひ見たいですね。

ここでは、サンフャン・ジャランという火の上を歩く技も披露してくれました。

夕食はナシ・チャンブル。

王宮前の広場で、インドネシアvsウズベキスタンのパブリック・ビューイングをやってました。初のオリンピック出場まであと一歩ということで、インドネシアではサッカーが盛り上がっているようです。

夜には雨が降りました。1日に一回、一時的に雨が降るそうです。

 

3日目の朝は、バリ芸能・芸術に関するミュージアム施設「アルマ」で過ごしました。インドネシア人やバリに深くかかわった外国人の絵画が展示されていました。

昼近くにモンキー・フォレストへ。その名の通り、森の中にたくさんの猿がいました。

猿と身近に触れ合うことができます。

至近距離で撮影していたら、子猿が飛びついてきました。目を合わせてはいけないようです。

昼食はモンキーフォレスト近くの「Three Monkeys Ubud」で。

田んぼの見えるテラスで食事ができるおしゃれなレストランです。フローズン・ライム・ミントとナシ・ゴレンを食べました。

昼過ぎにウブドからスミニャックへ移動。所要時間80分なので、さすがにタクシーを使いました。スミニャックが近づくにつれ、大渋滞となり、実際はもっとかかりました。バリ島の都市部は渋滞が慢性化しているので注意が必要です。

6. スミニャック

スミニャックのホテルにチェックインしてから、タナロット寺院へ。海の中に浮かぶ岩の上に建つ、神秘的なヒンドゥー寺院です。バイタクで40分ぐらいかかりました。

夕暮れ時がお勧めのようです。この時間はすっかり潮が引いて、寺院まで渡ることができました。。パワースポットの雰囲気がありましたね。

ジンバランもそうでしたが、水平線の近くは雲が多くて、日が沈むところは見られませんでした。5~10月が乾季なので、まだ雲が残っているのでしょうか。
日が暮れてから、スミニャックへ戻りました。

 

スミニャックは比較的新しいリゾートエリアです。ビーチ沿いは夕日観賞スポットとしても有名。夜のビーチサイドはライブ演奏も盛んで、ジンバランを超える賑わいでした。The Smashing Pumpkinsの「1979」など、知ってる曲がいくつかありました。

 

最終日の4日目の朝は遅めに起き、キンバリースパでフット・マッサージを受けた後、Warung Babi Culingで昼食。ここは地元の人も多いローカルな店でした。

バビ・グリンは豚の丸焼きという意味で、インドネシア伝統料理。ここだけは結構辛い味付けだったので、水なしでは食べられませんでしたが、それはそれで絶品でした。

午後はビーチに行きました。リクライニングチェアとパラソルがいくつも並んでいて、自由に使えるようでした。ココナッツ・ジュースを頼み、読書をしながら、帰国便までの残りの時を過ごしました。

7. 最後に

以上、バリ島で過ごした3泊4日について紹介しました。

主要な観光スポットを巡りましたが、体験したのはほんの一部という印象です。

他にも、ビーチでサーフィンを習う、マリンスポーツを楽しむ、村のワークショップで芸術品を作る、ヨガを習う、周辺の島をクルーズする、高原をトレッキングする、など、それぞれテーマを持って旅するとさらに楽しいかもしれません。

観光客は白人が多かったですね。現地の人の話では日本人があまり来ていないそうです。シンガポール、中国、台湾、韓国あたりの人はちらほら見かけましたが、確かに、日本人はほとんど見ませんでした。

ぜひ、南の島の楽園・バリを訪れて、充実した休暇を過ごしてほしいと思います。